2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

軌路力学 序説 3

小澤の一般不確定性 この観測分解性を端的に表したものが小澤正直(1950-)の不等式だ。 この式には次の可観測条件がある。 ここでRe(i)は事象 i の実部であり、p(i)は事象 i が起こることを知りうる確率、複素確率である。 量子同士がもつれて位置と運動量…

軌路力学 序説 2

光の観測分解 光を観測するときもF1と同様に「観測分解」が起きている。いわゆる光の二重性は、この観測分解を指している。古典力学では光の粒子性を扱ってきた。量子力学では光の波動性を扱ってきた。この二重性は単に光を観測するときに観測分解が起きてい…

軌路力学 序説

第3の物理思潮 これから新しい物理学の流れを示したい。その名も「軌路力学 trajectory physics」だ。ニュートンの古典力学、プランクの量子力学に並ぶ、第3の物理思想だ。粒子運動の軌跡や経路の計算に着目する。量子可積分系と非平衡統計力学を素数分布…

腸内民主主義

おいしそうなおかし 最近、職場が新橋へ移りました。通勤途中に「おかしのまちおか」があります。コンビニで120円とかするガムが半値で買えるんです。いつも朝や帰宅時に立ち寄ってガムを買っています。 そのガムを職場で食べているのですが、先日急にお腹が…

第5回 常識物理学

いよいよこの連載も最終回を迎えます。第5回は常識物理学です。 常識物理学の提唱者、ポパー K. ポパー(1902-1994)という存在はデカルトの再来でした。反証可能性とはデカルトの方法的懐疑の現代版です。のちにT. クーン(1922-1996)が「パラダイム」と名づ…

第4回 人間関係数学

第4回は人間関係数学です。いままで科学が扱える人称は1人称でした。複数人称を扱うには1人称を完全に理解し、他者に投影する方法しかないと考えられていたようです。人間関係数学は、自分自身と、同様の自分自身を含む社会空間における、自分自身同士が…

第3回 造形数学

3回目は造形数学です。いま建築、彫刻、陶芸など、アートの世界で起こりつつある革命とは、数学とアートの融合です。いままではアートが新しい形を提供してきました。建築では、ル・コルビジェの5原則と「モジュロール」、レム・コールハースの重力に逆ら…

第2回 生命数学

第2回は生命数学です。米本昌平氏の淘汰時間、郡司ペギオ氏の現生計算、北野宏明氏のロバストネス(したたかさ)、茂木健一郎氏の偶有性、池上高志氏の意識構成論、前野隆司氏の受動意識、福岡伸一氏の動的平衡など、ゼロ年代は日本で数多くの生命理論が誕…

第1回 地球環境数学

こんにちは。お元気ですか。ぼくは元気でやっています。 研究室の皆さんにはこの間お世話になりました。非常に実のある議論でした。感謝します。 さて、いままで当ブログでは科学の最新成果を論ってきたわけですが、 きょうからちょっとスタイルを変えて、オ…